2008年9月9日火曜日

汚染米700トン、加工用米に混ぜ5年間販売

偽装ニュースのお時間です。

三笠フーズの汚染米転売益、1500万円前後か

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080907-OYS1T00184.htm

 三笠フーズが、工業用の「事故米」を食用に転売していた問題で、同社は現時点で食用への転用が確実とみられる約298トン分の取引だけで1500万円前後の差益を得ていた可能性があることが6日、分かった。

 農林水産省によると、カビ毒「アフラトキシン」が検出されたうるち米の場合、9トンをわずか4万円で購入しており、安く仕入れた事故米を焼酎メーカーなどに転売して利ざやを稼いでいたとみられる。



で、この結果

焼酎30万本回収の西酒造など5社、汚染米問題で会見

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080908-OYS1T00400.htm

「一生懸命焼酎を造っているのに……」と憤りを吐露する西酒造の西社長(8日午前11時57分、鹿児島県日置市で) 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が工業用の「事故米」を食用に転売していた問題で、農林水産省が社名を公表することに同意した九州の酒造メーカー5社は8日、いずれも三笠フーズの事故米が含まれたコメを原料として仕入れた可能性があることを明らかにし、怒りをあらわにした。

 熊本県の抜群酒造(多良木町)と六調子酒造(錦町)は同日午前、同県人吉市で記者会見を開いた。

 抜群酒造によると、2006年ごろから三笠フーズのグループ会社「辰之巳」(大阪市)のコメを扱っており、今年2月、2回にわたりベトナム産の輸入米計7・2トンを仕入れた。農水省九州農政局から今月6日、「原料米に事故米が入っている可能性がある」と指摘された。

 この原料米をこうじ米として使ったのは米焼酎「全麹抜群(ぜんこうじばつぐん)」(1・8リットル入り)。同社は512本を通信販売で売り、12本を地元の小売店に卸しており、すべて自主回収し、タンクに残っている原酒は廃棄するとした。西達彦・抜群酒造社長は「大手商社から辰之巳を紹介された。事故米のことは知らなかった。長年にわたって信頼を築いてきただけに断腸の思い」と唇をかんだ。

 六調子酒造では、今年1月に9トンを仕入れて焼酎の原料を製造した。出荷はしていないという。池辺道人・六調子酒造社長は「大変な憤りを覚える。大量の原酒が残っており、すべて処分すると死活問題。対応は慎重に検討する」と話した。

 熊本県が検査したところ、この2社分からは残留農薬は検出されなかったという。

 鹿児島県日置市の西酒造は、3月に数百トンを仕入れた。事故米が混入した可能性があるのは主要銘柄の芋焼酎「薩摩宝山」。一升瓶(約1・8リットル)で換算して約30万本を全国に出荷、原酒30万本が工場内のタンクにあるという。同社は、7日付で県内外の取引業者などに説明文書を送付し、自主回収を始めた。原酒は廃棄処分にする。

 西陽一郎・西酒造社長(36)は記者会見し、「三笠フーズは大変なことをしてくれた。消費者、業界の皆様に心配をかけて申し訳ない。今は回収すべきものは回収し、いち早く正常化を図りたい」と述べた。


一方、三笠フーズの顧問は

汚染米転売は10年前から、三笠フーズ顧問認める

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080907-OYS1T00187.htm

 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(本社・大阪市北区)が、発がん性のあるカビ毒や基準値を超える残留農薬が検出された工業用の「事故米」を食用と偽って転売していた問題で、同社の非常勤顧問(76)が6日、福岡市内で読売新聞の取材に応じ、約10年前、冬木三男社長からカビの生えたコメの販売について相談されて不正転売を勧め、自ら主導して始めたことを認めた。

 そのうえで「事故米の転売は他の複数の業者も行っていた」と話した。業界で不正が横行していた証言が出たことで、農林水産省のチェック体制のあり方も問われそうだ。

 この顧問は、冬木社長が同日の記者会見で、不正転売を提案した一人と指摘していた。不正転売が始まった時期について、冬木社長は「5~6年前から」としており、顧問の説明と食い違っている。

 顧問はもともと福岡県内で別の米穀飼料製造販売会社を経営していた。この会社は1997年ごろに三笠フーズに買収され、顧問は98年ごろから2006、07年ごろまで、福岡県筑前町の三笠フーズ九州工場の責任者を務めた。

 「(買収される前の)85年ごろから、カビの生えた事故米の中からきれいなコメだけを選び、食用に転売していた」と証言。「悪いと思っていないのか」との質問に対して「カビのある部分だけを取り除いて食べるのは、食料不足の時代には当然で、工業用と食用を厳格に分けるシステム自体に問題がある」と政府を批判した。

 さらに、約2年前、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が残留するコメについて、「冬木社長から『どうにか、食用で販売したい』と持ちかけられた」と話した。検査機関で残留農薬を測定したところ、国の基準値を下回っていたため、1年半前から販売を始めたという。顧問は「農薬の残留状況を確認しており、健康に問題はなかったはず。購入業者も薄々気づきながら、値段の安さを優先して買ったのではないか」とし、謝罪を避けた。



かびの部分を削って出していいのなら、一般の食品メーカーは大助かりです。


非食用の事故米穀の不正規流通米の回収について(第2報)
http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/syoryu/080908_1.html

三笠フーズ(株)の事故米穀の販売先企業名

(公表に同意の得られた企業)


1.アフラトキシン残留米
喜界島酒造(株) (鹿児島県)
西酒造(株) (鹿児島県)


2.残留農薬基準値超過米
光酒造(株) (福岡県)
抜群酒造合資会社(熊本県)
六調子酒造(株) (熊本県)
喜界島酒造(株) (鹿児島県)
西酒造(株) (鹿児島県)
-以上-


(参考)全国一斉点検対象業者
№ 会社名所在地

1 (有)ライスボーイ 青森県青森市
2 (有)ライフクリエート・ケイ岩手県胆沢郡金ケ崎町
3 横手運送(株) 秋田県横手市
4 コーユ(株) 山形県酒田市
5 宝澱粉化学(株) 東京都港区
6 島田化学工業(株) 新潟県長岡市
7 アグリフューチャー・じょうえつ新潟県上越市
8 沼田製粉(株) 富山県小矢部市
9 (株)浅井 愛知県名古屋市瑞穂区
10 太田産業(株) 愛知県宝飯郡小坂井町
11 東伸製糊(有) 奈良県御所市
12 三喜精麦(株) 奈良県大和高田市
13 (株)高畑精麦 香川県善通寺市
14 南海物産(株) 愛媛県松山市
15 (有)石垣農産 福岡県筑後市
16 (株)勝尾商店 鹿児島県鹿児島市
17 住友商事(株) 東京都中央区
18 双日(株) 東京都港区


西酒造といえば、芋焼酎ブームの元祖ともいえるメーカーでしょう。
よく公表に踏み切ったな、と思います。その姿勢は評価すべきでしょう。


点検対象事業者も、やはり米どころに多いですね。
まあ、米どころに集荷業者が多いのは当然でしょうが。

そろそろ、「国民に対する犯罪」ってのを作るべきだと思いますよ。

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