2008年9月6日土曜日

事故米:食用に転売…一部にメタミドホス 大阪の卸業者

偽装ニュースのお時間です。

事故米:食用に転売…一部にメタミドホス 大阪の卸業者

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080906k0000m040115000c.html

コメの卸売加工業者「三笠フーズ」(大阪市北区、冬木三男社長)が国から購入した非食用の事故米を食用などとして転売していたことが分かった。03年度以降に購入した約1800トンのうち、残留基準値を超える有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した中国産など少なくとも約300トンの転売が確認された。福岡県内の工場で加工され、一部は焼酎などで販売されているとみられる。

 ◇流通状況を調査…農水省
 健康被害は確認されていない。農水省から5日に回収を指示された三笠フーズは自主回収する。また、同省は近く食品衛生法違反容疑で同社を大阪府警と福岡県警に告発する。

 農水省によると、同社は03年度から今年度まで、事故米を粉にして工業用のりなどの原料に加工するとして国から非食用の事故米計約1779トンを購入。実際は、佐賀県や鹿児島県の仲介業者や焼酎メーカーなどに転売していた。転売が確認された米は、メタミドホス混入の中国産約295トンのほか、発がん性のカビ毒「アフラトキシンB1」に汚染されたベトナム産などの約3トン。いずれも国が世界貿易機関(WTO)の協定に基づくミニマム・アクセス(最低輸入義務)枠で輸入した。

 8月末、事故米の不正流通をしているとの匿名の通報が同省にあり、同省が立ち入り調査を実施。メタミドホス0.05ppm(残留基準は0.01ppm)が検出された中国産の事故米を、06年度と07年度に同社が計約800トン購入。そのうち、約295トンが食用として転売されていたことを確認した。

 さらに、アフラトキシンB1が0.02ppm検出されたベトナム産の事故米を04年度に同社が約3トン購入。鹿児島県などの焼酎メーカー3社に販売されていた。仲介業者に転売された事故米がさらに転売され、一部が別の鹿児島県などの焼酎メーカーに渡っていた。焼酎以外どのような加工会社に流通したか、農水省が調査中だ。

 メタミドホスは中国製冷凍ギョーザ事件でも混入が確認され、同事件では最高で基準値の10万倍超が検出されている。アフラトキシンB1は、コウジカビの一種から生まれ、自然界で最強の発がん物質とされる。

 農水省の聴取に対し三笠フーズは「メタミドホス混入米は転売前に検査をして問題ないと判断した。カビの米は表面を削って転売した」と説明している。同省は「今のところ安全性に問題はないと考えており、転売先などについては、混乱を招く恐れがあり公表できない」としている。【奥山智己、夫彰子】

 ◇事故米
 国が買い取って保管、販売する政府米(外国産を含む)のうち、水にぬれたりカビや基準値を超える残留農薬が検出されて食用に回せない米。工業用のりなど用途を限定して販売される。農水省によると03年度~08年7月に計約7400トンを販売し、三笠フーズを含む計17社が購入した。価格は1キロ当たり10円前後で、せんべいや酒の原料として売られる食品加工用米の5分の1ほど。


事故米、という単語は初耳だったのですが。なるほどねえ。そんな流通もあるもんだ。
ちなみに二等米、割れ米などもあるらしい。このへんはいいとこ米粉向けでしょうね。

米の規格をしらべるとおもしろいかもね。


 ・乳白・・・栄養が行きわたらず白くなった米
 ・未熟米・・・痩せてすじばっているもの弱体な米
 ・砕粒・・・砕けたお米
 ・き形粒・・・虫・熱・細菌・カビなどが原因により損傷を受けた粒
 ・着色米・・・虫・熱・細菌・カビなどが原因により色がついた粒

 ・「***」では未検査米、二等米、三等米、規格外、古米の仕入れは一切しておりません。


そういや、国産保護の関係もあってか、輸入米はすべて2~3年保管、古米にして市場放出だとか。なんですかそれは。


しかし、今回ぐだぐだなのが社長の言葉。いや、どこの社長さんも同じですが。

事故米転売:「現場が」「社長指示」本社と工場、主張対立

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080906k0000m040132000c.html


 「社長の指示に基づいてやった」「大変申し訳ない。心の底から謝罪申し上げます」。福岡県筑前町にある三笠フーズの工場では、前工場所長の宮崎雄三営業課長(49)が硬い表情で説明に当たった。

 事故米の転売について「本社の指示があり、指示通りのことをした。業務なので従った。あくまでトップと話し合ってやった。問題はないと思っていた」と釈明した。報道陣から認識の甘さを問われると「お答えする言葉がありません」と繰り返した。


中略


 一方、大阪市北区の商業ビルにある三笠フーズ本社では、財務担当のグループ会社の男性社員が報道陣に対応した。転売は九州事業部の判断で故意に行い、農水省に指摘されるまで本社は知らなかったと説明し、謝罪した。

 冬木三男社長はこの日、報道陣の前に姿を見せなかった。この社員は「社長と連絡が取れない。弁護士とは話をしているようだが……」と困惑した表情。社員によると、3日ごろ、宮崎課長から冬木社長に電話で報告があり、冬木社長は「そんなことやれと言ってないやろ」などと怒っていたという。

 同社は6日午前、記者会見を開いて、事情を説明する予定。



ちゅうのが一転


事故米転売:三笠フーズ社長「私が指示」 二重帳簿認める

http://mainichi.jp/life/food/news/20080906k0000e040040000c.html

米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が殺虫剤やカビに汚染された米を食用として転売していた問題で、同社の冬木三男社長(73)が6日午前、同区内で、問題発覚後初めて会見した。冬木社長は「私から指示した。利益が出るということで私が決裁した」と述べ、転売を指示していたことを認めた。また同社が、不正を隠すため二重帳簿を作っていたことも明らかにした。

 冬木社長は会見の冒頭、「このたびは皆様に多大なるご迷惑と心配をおかけしました」と話し、深々と頭を下げた。そのうえで「現在、農水省の指導で製品の回収をしています」と語った。

 動機については「経営が苦しくてやってしまった」と弁明。「10年くらい前に買収した会社が(不正を)やっていた。5、6年前に(現場から)提案があり、私が『やれ』と言った」と不正のきっかけを説明した。

 流通経路に関しては「焼酎メーカー数社や製粉関係に売った」「菓子と焼酎、ブタの餌以外にはない」としたが、「調査を受けている段階なので」と具体的な転売先は明らかにしなかった。

 今回の米は、有機リン系殺虫剤のメタミドホスや発がん性カビ毒アフラトキシンB1に汚染されていたとされる。冬木社長は「(危険性の認識は)基本的には持っていた。深く反省している」と陳謝した。


しかしこれ、転売先が出たらえらいな被害が出そうです。
しかし偽装したのを200トンとして、通常の加工米と事故米の価格差40円/kgで800万円の粗利かあ。
たいした儲けにもならんような・・・。

事故米転売:業界「最悪の事態」、消費者団体は行政批判

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080906k0000m040160000c.html


 コメを使う加工食品の業界団体に驚きと困惑が広がった。また、消費者団体からは食品業界や行政への不信をあらわにする声が上がった。

 「食の安全が叫ばれている時に論外の出来事。何てことをしてくれたのか」。日本酒造組合中央会(東京都港区)の小野博通理事は怒った。同会は、清酒や焼酎の蔵元など約2000業者で構成され、今回転売先となった焼酎メーカーも属している可能性がある。

 せんべいやおかきなどのメーカー約500社で組織する全国米菓工業組合(同区)は、幹部が急きょ農林水産省に出向いて情報収集。今井教夫顧問は「米菓に使われているのかどうか……」と不安を隠さない。

 全国各地でコメのブランド化事業を手掛ける米穀店「スズノブ」(東京都目黒区)の西島豊造社長(45)は「最悪の事態だ。今年は食への不信感が高まる中でお米が見直され、米屋も元気が出始めていた。米業界も菓子、焼酎業界も停滞しかねない。どうやって信用を取り戻したらいいのか」と語気を強めた。

 また、日本消費者連盟(東京都新宿区)の富山洋子・代表運営委員は「業者はもちろん許せないが、さらにそれを見逃していた行政の手ぬるさにも怒りを覚える。食品偽装が続いて農水省は取り締まりを強化しているというが、形ばかりなのか」と批判した。


行政万能主義もいかがなものかと思うのですが。

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