2008年6月17日火曜日

産地偽装:「一色うなぎ」72トン、偽証明書に気づかず

偽装ニュースのお時間です。

産地偽装:「一色うなぎ」72トン、偽証明書に気づかず
http://mainichi.jp/life/food/news/20080617dde041040052000c.html

愛知県一色町の「一色うなぎ漁業協同組合」(大岡宗弘組合長)が17日、1~4月に同組合が一色産として販売したうなぎ72トンの産地に誤りがあったと発表した。埼玉県の商社から仕入れたうなぎで、国の「食品表示110番」に寄せられた情報を基に愛知県などが調査したところ、具体的な産地が特定できず、産地証明書の偽装が分かったという。

 県は17日付で、組合に対し、証明書の確認などを徹底するよう文書で指導した。

 漁協によると、問題のうなぎは1月20日~4月22日、漁協が商社から購入し、東海、関東の卸業者や加工業者に販売した。添付された産地証明書の偽装に気づかず、一色産として売ったという。

 うなぎは複数の場所で育てられるケースがあり、飼育期間が長い方を産地として表示する。大岡組合長は「漁協の確認不足もあった。迷惑をかけたことをおわびします」と話した。一色町のうなぎ生産量は市町村別では全国1位。【秋山信一】

毎日新聞 2008年6月17日 東京夕刊


具体的な産地の特定、ってそりゃ名札もついてないしねえ。
書類での確認ができなかった、ということかしらん。

報道によって、台湾産を国産に偽装、と鹿児島産を一色産に偽装、の二通りあったけど、実際はこういうこと。

輸入ウナギを国産と偽装販売 愛知の一色漁協
http://www.asahi.com/national/update/0617/TKY200806170183.html


 養殖ウナギの生産量日本一の愛知県一色町にある一色うなぎ漁業協同組合が、台湾から輸入されたウナギを「国産または一色産」として販売していたことが農林水産省などの調べでわかった。少なくとも今年1月から4月にかけて計約70トンに上るとみられる。愛知県は17日、日本農林規格(JAS)法に基づき、同漁協に改善を指導した。

 漁協側は「輸入業者から持ちかけられた」と釈明し、ホームページに消費者へのおわび文を掲載した。

 現行のJAS法では、ウナギは養殖期間のより長い産地を記すことが認められている。日本のウナギ業界の一部では、成魚になる前の幼魚(クロコ)を台湾へ輸出して台湾の池で育て、日本での養殖期間の方が台湾より長いうちに逆輸入して、「国産」として販売する「里帰りウナギ」の手法が広まっている。


 農水省などによると、同漁協は、育ちの悪かった「ビリ」と呼ばれる、成魚になる前のクロコ計約18万匹を、徳島県のウナギ卸業者に販売。クロコは鹿児島県のウナギ輸出業者を介して台湾の養殖業者に渡った。だが、農水省などが追跡したところ、一色産のクロコが台湾の池に入ったことは確認されなかった。

 さらに、台湾から輸入された約70トンについての書類を調べたところ、台湾からは計約26万匹に増え、さいたま市の輸入業者「山商水産」を通じて同漁協に逆輸入されていた。農水省はほとんどが台湾産だったとみている。

 同漁協の大岡宗弘代表理事組合長(64)は「輸入業者(山商水産)から、書類がそろっているので『国産または一色産』と表示できると持ちかけられた」と説明。今回指導を受けたウナギは生きたまま十数社に販売され、すでに消費されたものも多いという。

 同漁協は年間約4300トンの養殖ウナギを販売。一色町のウナギ業者は昨年、知名度を高めるため、「愛知三河 一色産うなぎ」の地域ブランドの認証マークを作り、同漁協はマークを管理する普及協議会の事務局となっていた。

 山商水産の山田順二社長は「台湾から輸入する際の匹数までチェックしておらず、台湾の養殖業者が匹数をかさ上げして戻したことに気がつかなかった」と話している。

 今回の件を受けて、農水省は18日にもウナギの業界団体に、養殖した最終地を表示するよう文書で指導する方針。(歌野清一郎)


つまり、里帰りうなぎではあるものの、26万匹のうち、18万匹でしかなかった、ということか。72万トンで26万匹、てことは、一匹2.7kg。そこそこ大きくなってるわけですね。
だれがカウントしてるんだか。

うなぎの養殖方法はこちらの記事が詳しいですね。

鹿児島産ウナギを「一色産」 愛知県、漁協を行政指導
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008061702000278.html

 
県の調べで、仕入れ業者は、同様に3カ月間台湾に輸出された鹿児島産ウナギを一色産と取り違え、産地証明書を「一色産」としていたことが判明。輸入数が出荷数を上回っているが、県は「漁協側に故意はなかった」として処分ではなく、文書指導にとどめた。

 一色町では、毎年11月には養殖池の水をいったん抜いて天日にさらし、12月から稚魚のシラスウナギを養殖し始める。池に残るウナギは台湾の業者に売却し、翌年に成魚として買い戻すが、ウナギは養殖期間の長い地域を原産地表示していいという。

 大岡宗弘組合長は「仲介の業者が間違えたとはいえ、関係の取引先や消費者の方に迷惑をかけた。おわびしたい」と話した。

 愛知県によると、JAS法では、ウナギが複数の産地で育てられた場合、最も飼養期間の長い場所を原産地として表示する。

 日本で育ったウナギの幼魚(黒子)を海外に1度、輸出し、一定期間、成育させた後に日本に逆輸入したウナギは「里帰りウナギ」と呼ばれ、国内での成育期間の方が長い場合は輸入品でも「国産」として表示ができる。

 同漁協は育ちの悪かった黒子1トンを昨年11月に徳島県の業者を介して鹿児島県の業者に販売。鹿児島県の業者が台湾の養殖業者に販売し、さいたま市の商社が今年1月から4月まで同漁協に約72トンを販売した。


しかし、それだけ輸送費をかけても割りに合うのだなあ、と。
もしかして、バラスト代わりに船倉に積んでるとか?まさかなあ。

0 件のコメント: